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明治40年、弁護士・川村晃と妻・美佐の間に、女の子が生まれた。「あぐり」と名付けられた少女はお転婆娘に成長。女学校へ進学したあぐりは、友人・民子が好きな男子学生に手紙を渡すところに付き添う。相手は、小高い場所で写生をする望月エイスケだった。
第2週エイスケの秘密(4月14~19日放送)
母・美佐のすすめで結婚を承諾したあぐりだったが、相手が望月エイスケだと知りショックを受ける。よりによって民子の憧れの人だったため、裏切り者と非難される。一方、エイスケは遊郭に入り浸っていた。
第3週謎の女(4月21~26日放送)
足を怪我したあぐりはエイスケに自転車で学校まで送ってもらうが、そのことでまたひと騒動。駆け落ちした民子の父親が、あぐりの悪影響だと学校にどなりこんでくる。あぐりを退学させようと父母や教師が集まる中、エイスケは「あぐりは僕の大切な妻」と学校側と対決。
第4週親の心(4月28日~5月3日放送)
エイスケが東京が関東大震災に見舞われ消息不明に。あぐりの「おめでた」が明らかになり、学校側は「妊婦は通学させられない」と退学を通告。エイスケを探しに東京に向かった父・健太郎は、東京の惨状に息子の死を覚悟する。
第5週赤ちゃん誕生(5月5~10日放送)
森潤の計らいでエイスケと再会できたあぐり。駅で突然陣痛が始まり、エイスケ立会いのもと、あぐりは元気な男の子を出産。初孫誕生に光代と健太郎は大喜び。エイスケもすっかり落ち着いたように見えたが、ある日また東京へ行ってしまう。
第6週はじめての東京(5月12~17日放送)
大正14年2月、あぐりはエイスケを追って東京に。全財産をだましとられながらもようやくエイスケの家にたどりつく。しかし現れたのは深川の芸者だという鈴音。家の中にエイスケの姿はなく、代わりに森潤がいた。
第7週夢は美容師(5月19~24日放送)
エイスケが姿を消して一週間。あぐりは鈴音といっしょに行った銀座山岡美容院で、急きょ洋髪の撮影のマネキンをやることに。美容師・チェリー山岡の鮮やかな手さばきにあぐりは魅せられるとともに「日本の女性を世界に通じるようにしたい」という言葉に、これまでの自分の生き方を問いなおす。
第8週内弟子1年生(5月26~31日放送)
大正14年4月、あぐりはチェリー山岡に弟子入りを許される。最初の仕事は、チェリー山岡の息子の看病。しかし病気は仮病。あぐりは多忙な母を持つ子どもたちの寂しさを察するようになる。
第9週先生の醜聞(スキャンダル)(6月2~7日放送)
あぐりがチェリー山岡の弟子になって1ヶ月。世津子の店へやって来たあぐりは偶然エイスケと再会。そんな中、チェリー山岡と沢田のうわさが新聞に書きたてられてしまう。
第10週父の背中(6月9~14日放送)
『婦人現代』創刊号は予想以上の反響で、世津子、森潤、燐太郎は次号の編集に忙しい。そこへ光代がお弁当持参でやってくるが、すぐあとに岡山から健太郎が、またチェリー山岡とあぐり、そして女性同伴のエイスケも現れる。一同が会し重苦しい雰囲気の中、健太郎はエイスケの弟・勇造が望月組を継ぐことを報告する
第11週噂の断髪(ショートヘア)(6月16~21日放送)
仕事帰りにエイスケを誘って立ち寄った銀座のパーラーで、うわさの新進美容家・石坂和子の美容室で断髪にした女性と出会う。衝撃を受けたあぐりは和子の店で断髪に。先生への裏切りだとあぐりは先輩たちに責められ、チェリー山岡のもとで働いていた2人が和子の店に引き抜かれてしまう。
第12週でっかいお年玉(6月23~28日放送)
昭和3年の春、ろく膜炎であぐりは生死の境をさまよう。あぐり危篤の知らせを聞いて、健太郎や光代、美佐が東京へ。病室に付き添うエイスケは「あぐりが死んだらぼくも死ぬ」と涙を流す。
第13週美容院開店(6月30日~7月5日放送)
独立したあぐりの美容室が完成しお祝いに高価な絵が贈られるが、見習い美容師が絵とともに姿を消してしまう。そんな中、太田とめが「助けてほしい」と飛び込んでくる。あわただしい準備を経て、いよいよ「あぐり美容院」は開店の日を迎える。
第14週母からの贈りもの(7月7~12日放送)
昭和4年夏、あぐり美容院に男が訪ねてくる。6年前に美佐から大金をだまし取った詐欺師だった。エイスケはこの男から、来年には値上がりするという倉庫いっぱいの昆布を売りつけられたため、美容院の建設費の残額が払えなくなり、パーマネント機が担保に取られてしまう。
第15週男と女の間には(7月14~19日放送)
昭和5年春、エイスケの出版記念会が開かれる。あぐりと再会した民子は急速に燐太郎に接近していく。一方、バイオリン教室に通い始めた光代のもとには、バイオリンの先生である片桐真二郎がバラの花束を抱えて会いに来る。
第16週別れの曲(7月21~26日放送)
昭和9年11月、エイスケが久しぶりに帰ってくる。エイスケと淳之介は二人で温泉旅行に出かける。一方、母・美佐が危篤だという知らせが入り、あぐりは家族全員で岡山に駆けつける。エイスケは美佐に「あぐりと結婚できてよかった」と言う。
第17週受験生の母(7月28日~8月2日放送)
昭和10年、小学6年生の淳之介は、同級生にラブレターの代筆を頼まれる。相手はマドンナ・池田諒子。淳之介は、諒子の幼なじみの安吉に殴られ乱闘に。そんなとき、諒子が鎌倉に引っ越すことになる。
第18週エイスケ死す(8月4~9日放送)
昭和13年春、長引く日中戦争の影響で美容院業者はパーマネントの自粛を通告される。筆を折ったエイスケは株の売り買いを始める。昭和14年7月、あぐりは第三子・理恵を出産。翌年、エイスケが株で大損を出したといううわさが流れる。
第19週淳之介の初恋(8月11~16日放送)
昭和18年5月、学校の宿題で父親について書くように言われた和子は、あぐりからエイスケとの思い出を聞く。そこへ淳之介が、突然帰郷。そこで偶然初恋の相手・諒子と再会。時を同じくして再会した同級生の安吉には、召集令状が届く。
第20週さよなら東京(8月18~23日放送)
昭和19年8月、出征した安吉が戦死。淳之介にも召集令状が届くが喘息とわかって即日帰郷させられる。嫌味を言われた淳之介は、岡山から東京に帰ってくるが、大空襲が東京を襲う。
第21週母と子の暑い夏(8月25~30日放送)
住む家を失ったあぐり一家は山梨の実家に疎開し自力で食べ物を調達しようと奮闘。ほどなくして、日本は終戦を迎える。
第22週夢ふたたび(9月1~6日放送)
終戦から1年、あぐりは山梨にとどまっていた。淳之介は森潤と出会う。美容院を再開したチェリー山岡からは、あぐりに美容師教習所の教師をやらないかという手紙が届く。
第23週立ち直る力(9月8~13日放送)
昭和22年、あぐりの新しい美容院が完成。淳之介は燐太郎から渡された『婦人現代』のバックナンバーを読み、復刊させようと編集部で働き始める。しかし、当の燐太郎は依頼された小説を書けずにいた。そんなある日、夜遅くまで原稿を書く淳之介のもとに諒子が突然やって来る。
第24週最後の親孝行(9月15~20日放送)
昭和23年秋、チェリー山岡がアメリカで暮らすことになり、沢田と進めていた美容院チェーンの計画をあぐりにやらないかともちかける。そのころ毎朝新聞には、エイスケの文学を誹謗する記事が掲載される。記事を書いたのは、淳之介の小説の出版記念パーティーで出会った林晃だった。
第25週人生は冒険旅行(9月22~27日放送)
昭和24年初夏、あぐりの美容院は順調にチェーン化を進めていた。林は取材中に犯人とおぼしき人物に刺されてしまう。病院に駆けつけたあぐりは夢中で犯人の似顔絵を描く林に驚くが、林はかつて画家で、病気の妻のために筆を折り岡山に1枚の絵が残るだけだと聞かされる。1週間後、林はあぐりに愛を告白する。
第26週素晴らしき日々へ(9月29日~10月4日放送)
昭和28年秋、あぐりの美容院は20店舗目になり、林は挿絵画家として注目され始める。支店20店舗達成のパーティーで、あぐりはチェリー山岡から「夢がかないましたね」と賛辞を贈られるが、林に「本当に君の夢はかなったのか」と聞かれ、ふと考え込んでしまう。自分の絵が描けず悩んでいた林は、フランスへと絵の勉強に旅立つ。林を見送ったあぐりは、見失っていた自分の夢を再び見出す。
【出演】
田中美里・野村萬斎・高嶋政伸・野村宏伸・山田純太・細川ふみえ・鈴木砂羽・三浦理恵子・笹峰愛・森本レオ・山本晋也・刈谷俊介・梅沢昌代・菅井きん・田村亮・松原智恵子・名取裕子・星由里子・草笛光子・里見浩太朗ほか
*2340分/字幕:日本語
2004 NHK