○ペリカンを代表するスーベレーンシリーズの中でも、Ｍ１０００と同じく１８金ニブと金属製の取り外し可能なピストン保持器を持ち、その手頃な大きさと実直な造りから「万年筆の王道」とも称され、１９９７年にはドイツのペン・オブ・ザ・イヤーに選ばれたＭ８００です。
○スーベレーン・シリーズを特徴づける光を湛えて輝く青と透明な縦縞のバレル、持ち易い考え抜かれたフォルム、ペリカンの顔を模した特徴的なクリップ、漆黒のキャップは永遠性を持った正に飽きの来ないデザイン。特に他の例のない美しいバレルの縦縞は、ドイツのEVONIK社だけが製作するプレキシガラスと言う特殊なアクリル樹脂の青と透明な薄板を積み重ねて厚板を作り、その塊を縦に薄切りにする事で縦縞の板にし、職人が丸めて作り出す大変に手の込んだもの。それだけに他に例のない（コピーされる事もまずない）唯一無二のものです。また、この美しい軸はある意味飾りで、その下に透明なバレルがありこちらがインクを湛えていますので、万一破損しても機能を失わないなど、質実剛健なペリカンらしい造りがされています。
○バレル自体をインクのタンクとする容量の大きなピストン機構は、元々ハンガリーの技術者テオドール・コバック発明し、ペリカンが１９２９年に取得したもの。それだけに、洗浄のしやすさや、壊れ難さなど一日の長がある様に思います。モンブランも同じ機構を１４６、１４９に用いていますが、インクを吸入し、尻軸をバレルにピタリと付けるためには時計回りに尻軸を廻します。このため、保持器をバレルに嵌めるために廻す方向と尻軸をバレルに寄せるために廻すが同じであり、尻軸がぐらつかない様にと力を入れ過ぎて廻すと、金属製の保持器がバレルに食い込み過ぎて、特にバレルの樹脂が薄い１４６では、樹脂が割れてクラックが入り易いと言う欠点があります。しかし、ペリカンの場合はバレルに保持器を嵌める方向と尻軸をバレルに近づける時の方向が逆なので、
尻軸を廻す時に
力を入れ過ぎても、保持器自体は逆にバレルから外れる方に回るため、保持器がバレルに食い込み過ぎると言う心配がありません。また、ニブとペン芯がユニット化され、簡単に首軸から外せるため、洗浄が簡単に出来る点でも優れていると思います。
○ニブに歪みや傷は見られず綺麗な状態と思います。出品に当たって、丁寧に洗浄しましたので、すぐにインクを入れてお使いいだけます。
注意事項：目につく傷やクラックなどは見られず、スレも少ないかと思いますが、完品をお求めの方、神経質な方は入札をお控え下さい。ノークレーム・ノーリターンでお願いします。万年筆のみの出品ですが、保護を兼ねてクリア・コレクションケースに入れて発送いたします。
【商品の説明】
ブランド、メーカー：スーベレーンＭ８００、ペリカン
カラー・材質：青縞（プレキシガラス）、ゴールド・トリム（真鍮に金メッキ）
インク補充方式：吸入式（尻軸を反時計回りに回し、インク窓にピストンが見えたら、ペン軸までインク瓶に漬け、今度は尻軸を時計回りに回して、インクを吸入するタイプ）
ペン先（ニブ）：１８金、字幅：Ｍ
サイズ：長さ：１４２mm(収納時)/最大胴軸径１３mm、重さ：２８ｇ（公表値）