【ワイン・オブ・ザ・イヤー＆パーカーポイント100点】 世界にも稀なＷ戴冠者
「石灰質土壌に広がる並外れたグランクリュ・サイト」(ロバート・パーカー氏)
愛好家憧れの数々を生み出し、現在カリフォルニアで最も大きく注目される醸造家、ジャスティン・スミスの超大作。数年ぶりの正規蔵出し品を我が物とされる方は、各種多くても国内12名限り。
《サクソム》 Saxum Vineyards 750ml

● 世界最有望産地、パソロブレスにおける現代ワインシーンの主役がジャスティン・スミス
ジャスティン・スミスとは、ローヌ系を主とする中で、今、最も熱い脚光を浴びる醸造家であり、コンサルティング・ワインメーカーのみならず栽培指南役としても、携わる先々を立て続けに“エクストラオーディナリー(※)”へと導く人物です。サクソムはその中心にいるジャスティン・スミス自身のレーベルあり、そこからリリースされる数々には格別のワインばかりが並びます。唯ひたすらと質の高さを追い求めるストイックな者こそが成し得る賜物でしょう。
寛大な体躯に種々のファクターが密度高く詰め込まれた凝縮味は、単に濃いだけのワインに重なるものではありません。
世界のローヌ系愛好家にターゲットとされるコレクタブル品でもありますが、それら最上層に並ぶ他の作にも増して、日本国内においては入手に困難を極める造り手。素性確かな蔵出し品のサクソムを得られる方は、多くとも60人に限られます。(※ ロバート・パーカー氏主宰ワインアドヴォケイト誌選最上位タイトル"extraordinary"：WA96点以上)

▼ 最大級の関心を集めるローヌレンジャー
オーナー醸造家のジャスティン・スミスは、近年のカリフォルニアで最も大きく注目される醸造家と評しても過言ではなく、彼の経歴にまつわる本も出版されている程の人物です。
2000年の設立に合わせた2作目の2001vtgより、そのワインに対しては 「非の打ちどころのない世界トップクラスの豊かさ、複雑さを伴う驚くべき力作」 とロバート・パーカー氏による絶賛感嘆を受けると共に、 「新たに出現したスーパースター」("An emerging superstar") とも評されました。
とりわけ際立つパーカー氏の賞賛については、下記に続くとして、まずは伝統産地の慣例にも倣い、サクソムの自家畑に秘められるポテンシャルこそを俎上に載せる必要もあるでしょう。所謂「テロワール」と言うものですが、この点についても、パーカー氏は言及しています。 「点」のみに留まりません。
▼ 単なる新進気鋭に非ず。ローヌ系の桃源郷最前線、パソの古典的醸造家に辿り着くジャスティン・スミスの原点
年月浅く大成を収めたサクソムですが、躍進の原動力は、ジャスティン・スミスの手腕を拠り所とする限りではありません。彼の実家が所有する畑に、ジェームズ・ベリー・ヴィンヤード(James Berry Vineyard)があります。今では誰もが認める南カリフォルニアの代表的ローヌ系輩出源であり、昨今は、カーライル(Carlisle)やコパン(Copain)といった北カリフォルニアの有名生産者にも果実を供します。そして、それらをことごとくパーカー氏選最高峰タイトル“エクストラオーディナリー”に導く件も、ジェームズ・ベリーの卓抜性を示す一端と言えるものでしょう。
過去に遡れば、更なる重鎮も、当該畑の類稀な資質に目を付けています。
その人物とは、当地の誉れ高き醸造家、ケン・フォルクことケネス・フォルク(Kenneth Volk)
1980-1990年代にかけ、有力批評誌より高評価を得るなどしてブランド価値が増し、2003年にケンタッキーバーボンで知られるジム・ビーム社が、買収に名乗りを上げたワイナリーとしてワイルドホース(Wild Horse)があります。(後年、世界屈指の酒類資本であるコンステレーションブランズに転売) 買収と共にワイルドホースを去りますが、その創業者にして最盛期の醸造を担った張本人 はケン・フォルクでした。
今では、シャトーヌフ＝デュ＝パプの有力生産者が進出する他、ボルドー有名シャトーの元醸造長が移住するなど、世界的高品質ワインの新天地として脚光を浴びるパソロブレス地区ですが、クオリティの観点から当地の名を高めた中興の祖と言えば、ケン・フォルクに他なりません。ジェームズ・ベリー・ヴィンヤードより果実を得れば、今では誰もが誇らしげにその名を冠する単一畑銘柄としてリリースに及ぶものの、"James Berry"のシングルヴィンヤードワインを初めて世に送り出した人物もケン・フォルクに遡ります。ジャスティン・スミスの原点は、氏に対する畏敬の念が映し出された頃にも重なります。
ジャスティン・スミスが初めて商業ベースのワイン生産を試みるにあたっても、ケン・フォルクとの縁を抜きにして語ることはできません。
大学時代の友人であるマット・トレヴィザン(Mat Trevisan)とジャスティンが、1998年に共同で設立したワイナリーとしてリン・カロド(Linne Calodo)があります。ちなみに、こちらもまたWA誌選エクストラオーディナリー生産者。(画像右参照) やがて二人は袂を分かちますが、当時は、ケン・フォルクの管制下にあるワイルドホースの設備を借りての醸造でした。“新バランス派”を標榜する組織が脚光を浴びる昨今ですが、目立つ看板を掲げずとも、過去より伝統の手法に沿う造りがケン・フォルクのスタイル。サクソムのワインに表わされる威厳は、そのような事に起因するかもしれません。

■ シラー "ブロークン・ストーンズ" パソロブレス (Broken Stones, Paso Robles) 単一畑(区画)から構成される他大半のサクソムと異なり、こちらはジェームズ・ベリー産を主体とする混成版。2014年5月現在のWA誌暫定評価においては、同年産の筆頭に挙げられます。 【WA誌のコメント】 「ボディを満たす豊かなテクスチュア。巨大かつ筋肉質であり、深い層を成す強烈なワイン。複雑性のある見事な芳香が示され、ブルーベリー、唐辛子、花、ポプリ、スパイス、タール、メントールが音色を奏でるようにグラスから溢れる。リリースから2-3年を経て、向こう十年に渡り楽しめる。」 [2011年の品種構成] シラー78%,ムールヴェードル18%,プティ・シラー4% 【パソ・ロブレスAVA】 関係者の間で、パソ・ロブレスの産地特性を一口で述べるとはご法度。ナパ・ヴァレーの3倍に及ぶ広大なAVAだけに、「国道101号線の西側(太平洋側)と東側(内陸側)」に分けることが求められます。 1983年のAVA認定当初は東側ばかりが注目されましたが、そこはセントラルヴァレーの近くまで広がる平地。バルクワイン供給源の側面もあるだけに、EOSなどの大規模な生産者が拠点とする他、E&Jガロやデリカートといった大手資本が畑を求める先です。一方、太平洋に接する西側は「アデレード・ヒルズ(Adelaide Hills)」と呼ばれる丘陵地帯から成り、地形、気候条件、土壌組成と諸々の産地特性は、東側とは全く異なる内容です。(因みに、SAXUM、Tables Creek、L’Aventure等の働きかけで新AVA制定の動きもあり。又、それに最も近いパソのサブアペラシオンとしてはヨーク・マウンテンがある。 -York Mountain-) アデレード・ヒルズとは、モントレーからサンルイ・オビスポまで南北に長く延びるサンタ・ルシア・ハイランズの一部を成し、その途中には「テンプルトン・ギャップ(Templeton Gap)」という山脈の切れ目が横切ります。それが太平洋からの冷気の侵入経路となる為に、当該地区における昼夜の寒暖差は摂氏16度程に及ぶなど大変大きく、故にそこで育まれる葡萄には、熟度と高い酸度が同時に備わります。

▼ 他の畑


芸術品にも形容される国内12本限りの珠玉です。セラー内の魔除けにも... (全種現品限り)
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