フジミ 1/20 GPシリーズ14作目、ウィリアムズ FW16 1994年サンマリノＧＰ仕様です。ハイテクによるアドバンテージによって、２シーズンもの間Ｆ１ＧＰを席巻してきたウィリアムズは、ハイテクサポートが全て禁止となる1994シーズンに向けて、エースドライバーにＡ．セナを迎えるとともに新鋭マシンＦＷ１６を開発しました。前年にＡ．プロストが乗ってチャンピオンとなったＦＷ１５Ｃは当初からハイテク装備搭載を前提に設計されていた為、フロントサスペンション周辺は、パッシブサスペンション搭載を全く考慮しない設計となっていた為、基本構造から全面的に作り替えなければなりませんでした。その為、当初は非常に挙動変化が大きく、扱いにくいマシンとなっており、更には大径ハンドルを好むセナの希望には答えられない狭いコクピットが大きな問題となっていました。それでも、満足度の低いマシンを果敢にドライブし、予選ではＰ．Ｐ記録を更新していましたが、本戦では完走すらままならない状況でした。そして運命のサンマリノＧＰ、まるで何かに呪われているかのように多発した事故、日本でも人気のあったＲ．バーガーは還らぬ人となりました。事故現場に真っ先に駆け付けたセナは真っ青で憔悴しきった表情だったのが今でも思い出されます。その晩、恋人のアドリアーナにも「もうレースは出来ない」と漏らしたセナですが、その後再び電話してきた彼女に「もう大丈夫。僕が走らなきゃ」と告げました。翌日のレース前、セナは見る影も無いほどに憔悴しきった表情でした。ＴＶ中継で見ていた私も、「こんな状態で走れるのか？」と感じたものです。それでもレースが始まると、いつものようにトップを守り激走、今回はトップチェッカーかと皆が思っていたその時、あのクラッシュが発生しました。二位のシューマッハのオンボードカメラの映像でもタンブレロコーナーに向けてターンすべきマシンが一瞬跳ね上がるようにして直進、ウォールに激突して回転しながら土煙の中に見え隠れしていましたね。その瞬間のＡ．ニューウェイが顔を伏せて泣いているのを見て、これは大事だと思ったものです。 キットはそのＧＰ仕様ですが、やはりセナ最後のマシンと言う事で購入したものです。当初から箱には擦り傷が多々ありましたが中身は問題ありません。初版のエッチング付きでタバコデカールも付けています。いかがでしょうか。