現行のBilly Joel最新カタログは最新リマスターが成されておりますが、Billy Joel自身は関与していない模様。 1st「Cold Spring Harbor」ではマスタリング・エンジニアのミスでテープ速度が速くなってしまい、 Billy Joelのヴォーカルが甲高い声で知られるものではございました。 当時のプロデューサーArtie Rippを迎え修正・リマスターが成されるものの、演奏の差し替え、ストリングス等の削除というリミックスが成されたというもの 。
今作の最新リマスターでもメドレー形式の楽曲が分割。 そして名曲”New York State of Mind”ではRichie Cannataのサックス演奏が差し替えられている等々のリミックスが成されるというもの。 (”Quadrophonic Mix”用のマスターテープが存在する模様でございますが、差し替え演奏の録音が当時のものとは思えない感がございます) この”Mobile Fidelity社SACD”はオリジナルに即したもので知られております................................................. (但し、初期Protools仕様の模様で無慈悲な分割が成されておりますが...............................................) 何をか言わんや、でございます.......................................
内容は言わずもがな。 ラインアップは名手揃い。 Billy Joel(Vo、P、Key)、Liberty Devitto(Ds、Per)、故Doug Stegmeyer(B)、Richie Cannata(Sax、Clarinet)、 Russell Javors(Rhythm G)、Howie Emerson(G)となります。 またゲストに名手Mingo Lewis(Per、Al DiMeola等)、James Smith(Acoustic G)、 Ken Archer(オーケストラ・アレンジ)の参加がございます。 念願の”Billy Joel Band”主体での制作がミソでございます。 プロデュースはBilly Joel自身。米国・ニューヨーク”Ultrasonic Recording Studios”での制作となります。 カリフォルニアでの生活に満足していたものの、違和感を感じていたBilly Joel。 前作制作後バックバンドを一新し、同じNY育ちのLiberty Devitte等を迎えて活動。 更には当時ニューヨーク市の財政危機問題が起こり、L.A.へ移住した人々のニューヨーク市の悪評を聞き、更にその態度に憤慨。 創作や活動環境を変えたいとの思いもあり故郷ニューヨークに戻る事となります。 Billy Joel自身の現行バックバンド起用を巡り、再びプロデューサーMichael Stewartと対立。 袂を分かち、当時Chicagoを手掛けていたJames Guercioを迎え新作制作に乗り出す事となります。 (Billy Joel曰く、前者は「独善的」「緊張感を強いて皆委縮していた」、されど「(プロデューサー特有の)様々な圧力の板挟みで可哀想だった」とも............) されど、バックバンド起用に拘るBilly Joelと再び対立。 されど説得され、渋々Elton John Band(名手 Nigel Olsson等) を迎えコロラド州で制作に三か月間臨むものの思う様な成果が得られず、 更にはニューヨーク”AR Studios”にてセッション・ミュージシャンを起用し制作を継続するも結果は同じ。
従って、プロデューサー降板。 (但し、このNYセッションで名手Steve Kahn(The Brecker Brothers他、後に”I Witness”にて名声を得る)と邂逅した感があり、次作以降での制作準レギュラー起用に繋がった感有り。 また、コロラド・セッションで起用された名手Nigel Olsson(Ds、現Elton John Band、ex-Uriah Heep)が後に制作する自身のソロ作で 今作の”Say Goodbye to Hollywood”をカバーする話も......) かの名プロデューサーPhil Ramoneにアプローチするものの、当時はBarbra Streisantの名サントラ盤”Star is Born”制作中で起用断念。 ならば、とセルフプロデュースにて故郷ニューヨークにて再度制作に乗り出す......................という面倒な経緯がございます.......................
Billy Joel自身のプロデュースという事もあり、自身の納得するバックバンド起用もあり制作の自由が広がった事が感じられる作品でございます。 Richie Cannata/Liberty Devitte/故Doug Stegmeyerというバンドの核がBilly Joel自身に刺激やインスピレーションを与えている感がございます。 また、正確ではないもののタイトで躍動感・スケール感重視、有機的なリズム感、細やかで変幻自在、 演奏の有り方で楽曲の質を確実に上げてくるLiberty Devitte / 故Doug Stegmeyerのリズム隊の起用が 楽曲に豊かな表情を齎している感がございます。 手慣れたそしてお互いの手の内を熟知したバンドの安心感と意欲が制作に現れている感がございます。 楽曲も粒揃い。 Phil Spector系からRay Charles風、南国風やHR、大作主義等々と幅広さがございますが、以前に比べ一貫性が感じられるもの。 また、バンドの一体感を重視したライヴ感を中心とした制作。 またS&SW的に音楽性を捉えられ窮屈な思いをしていた以前に比べ、自由を感じさせるもの。 メロディ感覚の良さとロック的な躍動感や感覚のバランスが巧み。 居心地の良いL.A.から刺激多いNYへと音楽変遷を感じさせるものでございます。 されど、以前から存在するKeith Emersonに繋がる音楽性は健在。 (かの”Attila”でも”The Nice”の影響が........................) ピアノ/シンセ捌きや大作主義的な楽曲から感じられますが、”I've Loved These Days”でのオーケストラ・アレンジの有り方からも伺える感がございます。 また、 「(感性や客観性の鋭さを伴う)ピアノの詩人」 的な音楽性や歌詞、アート性が以前より強められ洗練度を増しておりますが、 非常に内省的な感覚がミソでございます................................... (Billy Joel自身が指摘) 楽曲も粒揃いで非常な意欲作ではございますが、残念ながらセールスは不振。 (何故か?オーストラリアでは大ヒット)。 Billy Joel自身「プロデュースはもうたくさん!」との事ではございます。 されど、後の全盛期Billy Joelの音楽性の基礎となった作品の感がございます................................. アナログ時代の録音ではございますが、独特の空間と温かみが感じられる音造りが感じられるもの。 アナログ・ステレオ録音時代のマジックが感じられるものでございます....................................................... Mobile Fidelity社SACD仕様盤は限定生産。現在入手が困難となっております。 この機会に是非。
Mobile Fidelity社は、現在主流のフラットマスタリング方式の先駆者でございます。音量よりも音の情報量重視でございますが、
アナログ盤的な感覚のあるリマスターでございます。
そもそもCDであろうが、SACDであろうが、アナログ盤であろうがマスターテープの再現が一番重要となります。
一番マスターテープの再現を行っていたのがアナログ盤ではなかろうか?とのオーディオ・ファンの指摘がございます。
事実ここ昨今、昔の名マスタリング・エンジニアが手掛けた当時のアナログ盤が高値で取引されております。
されど、こちらにはスクラッチノイズはございませんが......................................
現行のBilly Joel最新カタログは最新リマスターが成されておりますが、Billy Joel自身は関与していない模様。
1st「Cold Spring Harbor」ではマスタリング・エンジニアのミスでテープ速度が速くなってしまい、
Billy Joelのヴォーカルが甲高い声で知られるものではございました。
当時のプロデューサーArtie Rippを迎え修正・リマスターが成されるものの、演奏の差し替え、ストリングス等の削除というリミックスが成されたというもの
。
今作の最新リマスターでもメドレー形式の楽曲が分割。
そして名曲”New York State of Mind”ではRichie Cannataのサックス演奏が差し替えられている等々のリミックスが成されるというもの。
(”Quadrophonic Mix”用のマスターテープが存在する模様でございますが、差し替え演奏の録音が当時のものとは思えない感がございます)
この”Mobile Fidelity社SACD”はオリジナルに即したもので知られております.................................................
(但し、初期Protools仕様の模様で無慈悲な分割が成されておりますが...............................................)
何をか言わんや、でございます.......................................
内容は言わずもがな。
ラインアップは名手揃い。
Billy Joel(Vo、P、Key)、Liberty Devitto(Ds、Per)、故Doug Stegmeyer(B)、Richie Cannata(Sax、Clarinet)、
Russell Javors(Rhythm G)、Howie Emerson(G)となります。
またゲストに名手Mingo Lewis(Per、Al DiMeola等)、James Smith(Acoustic G)、
Ken Archer(オーケストラ・アレンジ)の参加がございます。
念願の”Billy Joel Band”主体での制作がミソでございます。
プロデュースはBilly Joel自身。米国・ニューヨーク”Ultrasonic Recording Studios”での制作となります。
カリフォルニアでの生活に満足していたものの、違和感を感じていたBilly Joel。
前作制作後バックバンドを一新し、同じNY育ちのLiberty Devitte等を迎えて活動。
更には当時ニューヨーク市の財政危機問題が起こり、L.A.へ移住した人々のニューヨーク市の悪評を聞き、更にその態度に憤慨。
創作や活動環境を変えたいとの思いもあり故郷ニューヨークに戻る事となります。
Billy Joel自身の現行バックバンド起用を巡り、再びプロデューサーMichael Stewartと対立。
袂を分かち、当時Chicagoを手掛けていたJames Guercioを迎え新作制作に乗り出す事となります。
(Billy Joel曰く、前者は「独善的」「緊張感を強いて皆委縮していた」、されど「(プロデューサー特有の)様々な圧力の板挟みで可哀想だった」とも............)
されど、バックバンド起用に拘るBilly Joelと再び対立。
されど説得され、渋々Elton John Band(名手
Nigel Olsson等)
を迎えコロラド州で制作に三か月間臨むものの思う様な成果が得られず、
更にはニューヨーク”AR Studios”にてセッション・ミュージシャンを起用し制作を継続するも結果は同じ。
従って、プロデューサー降板。
(但し、このNYセッションで名手Steve Kahn(The Brecker Brothers他、後に”I Witness”にて名声を得る)と邂逅した感があり、次作以降での制作準レギュラー起用に繋がった感有り。
また、コロラド・セッションで起用された名手Nigel Olsson(Ds、現Elton John Band、ex-Uriah Heep)が後に制作する自身のソロ作で
今作の”Say Goodbye to Hollywood”をカバーする話も......)
かの名プロデューサーPhil Ramoneにアプローチするものの、当時はBarbra Streisantの名サントラ盤”Star is Born”制作中で起用断念。
ならば、とセルフプロデュースにて故郷ニューヨークにて再度制作に乗り出す......................という面倒な経緯がございます.......................
Billy Joel自身のプロデュースという事もあり、自身の納得するバックバンド起用もあり制作の自由が広がった事が感じられる作品でございます。
Richie Cannata/Liberty Devitte/故Doug Stegmeyerというバンドの核がBilly Joel自身に刺激やインスピレーションを与えている感がございます。
また、正確ではないもののタイトで躍動感・スケール感重視、有機的なリズム感、細やかで変幻自在、
演奏の有り方で楽曲の質を確実に上げてくるLiberty Devitte
/
故Doug Stegmeyerのリズム隊の起用が
楽曲に豊かな表情を齎している感がございます。
手慣れたそしてお互いの手の内を熟知したバンドの安心感と意欲が制作に現れている感がございます。
楽曲も粒揃い。
Phil Spector系からRay Charles風、南国風やHR、大作主義等々と幅広さがございますが、以前に比べ一貫性が感じられるもの。
また、バンドの一体感を重視したライヴ感を中心とした制作。
またS&SW的に音楽性を捉えられ窮屈な思いをしていた以前に比べ、自由を感じさせるもの。
メロディ感覚の良さとロック的な躍動感や感覚のバランスが巧み。
居心地の良いL.A.から刺激多いNYへと音楽変遷を感じさせるものでございます。
されど、以前から存在するKeith Emersonに繋がる音楽性は健在。
(かの”Attila”でも”The Nice”の影響が........................)
ピアノ/シンセ捌きや大作主義的な楽曲から感じられますが、”I've Loved These Days”でのオーケストラ・アレンジの有り方からも伺える感がございます。
また、
「(感性や客観性の鋭さを伴う)ピアノの詩人」
的な音楽性や歌詞、アート性が以前より強められ洗練度を増しておりますが、
非常に内省的な感覚がミソでございます...................................
(Billy Joel自身が指摘)
楽曲も粒揃いで非常な意欲作ではございますが、残念ながらセールスは不振。
(何故か?オーストラリアでは大ヒット)。
Billy Joel自身「プロデュースはもうたくさん!」との事ではございます。
されど、後の全盛期Billy Joelの音楽性の基礎となった作品の感がございます.................................
アナログ時代の録音ではございますが、独特の空間と温かみが感じられる音造りが感じられるもの。
アナログ・ステレオ録音時代のマジックが感じられるものでございます.......................................................
Mobile Fidelity社SACD仕様盤は限定生産。現在入手が困難となっております。
この機会に是非。
注:発送方法は変更になる場合がございます。宜しくお願い致します。