マーシンキウィッツのトランぺットマウスピース、アーティスト・モデルの「E18 エリック・ミヤシロ・モデル」、シルバープレート（銀メッキ仕上げ）です。
現在、定価 19,800円で販売されていますが、ハンドメイド色が強く製作本数が少ないので、日本国内にはほとんど入荷せず非常に入手困難なマウスピースです。
ボディ上部には「・J.MARCINKIEWICZ OREGON U.S.A.・」、中央のクビレ部分には「E18＊MIYASHIRO」という精密な刻印が入っています。
日本人は「エリック」と言うことが多いですが、海外では「MIYASHIRO」と呼ばれることが多いように思えます。
ジョー・マーシンキウィッツ（Joseph W.Marcinkiewicz）氏はスタン・ケントン楽団やドン・エリス楽団でトランペット奏者として活動し、1983年にはMMP（Marcinkiewicz Music Products）を設立して、マウスピースや楽器の製作で世界的に高い評価を得ています。
工房はカリフォルニア州のタジャンガ（Tujunga）→グレンデール（Glendale）→バーバンク（Burbank）→現在のオレゴン州と移転してきましたが、常に進化し続けるマウスピース製作への真摯な姿勢がうかがえます。
これまでに著名な演奏家のシグネイチャーモデルのマウスピースを多数作ってきていて、ボビー・シュー、ハーブ・アルパート、リック・バプティスト、ボブ・フィンドレイ、チャック・フィンドレイ、ジェフ・ティジック、アレン・ヴィズッティ、マイク・ヴァックス、ロジャー・イングラム、ポール・ケシア、ピート・カンドリ、クラウド・ゴードン、杉山 正、三宅コージ、ミック・ジレット（Tower of Power）、ボブ・オドネル、ジョー・マーシンキウィッツ本人、他にも多くのトランペッターの複数のシグネイチャーモデルが作られてきました。
このマウスピースはアーティスト・モデルの中の「E18 エリック・ミヤシロ・モデル」で、日本が世界に誇るスーパートランペッター、エリック・ミヤシロさんのおそらく最初のシグネイチャーモデルです。
ERIC 宮城（エリック・ミヤシロ）さんは、楽器やマウスピースの開発にも非常に積極的で、またすべてにおいて造詣が深く、マウスピースだけでも彼が開発に携わったメーカーは多岐に渡ります。
マーシンキウィッツの他にも過去にはベストブラス、ヤマハ、2018年頃にはアメリカのGR社からもエリック・ミヤシロ・モデルのマウスピースが発売されています。
このマーシンキウィッツのマウスピースは1980年代、エリック・ミヤシロさんが20代でアメリカで活躍していた時期に実際にメインで使用していたマウスピースで、市販のものもまったく同じスペックになっています。
マーシンキウィッツの豊富なラインナップの中でも、かなり人気のある型番です。
メーカー発表の仕様は、
リム内径16.38mm
リム形状ミディアム・フラット
カップ深さ9.17mm（浅め）
ボア（スロート）#26（3.73mm）
他社比較SCHILKE 13A4a
となっています。
リム内径「16.38mm」は、現在のヤマハEM1-mk2（16.02mm）、EM2-mk2（16.22mm）よりも少し大きくなるので、窮屈なリム内径を好まない方には素晴らしいリムになると思います。
唇にマウスピースをセットする際に、気を遣いすぎなくても良いという利点もあります。
リム形状は後のヤマハ、GRのエリック・ミヤシロ・モデルよりもわずかにフラット気味になってます。
リムからカップに少し落ちたあたりに絶妙なエッジがあって、そこから少しエグリが入ってます。
バテてきても唇がカップの内壁に当たらないので、長時間のハードなプログラムでも吹き続けることができる計算されたリム、カップ形状です。
カップは浅く、スロートの入り口付近も広くなったりしていません。
スロートは直線部分がかなり長めで、息の流れが安定します。見た目が「#26スロートより細いのでは？」と思ったので計測ゲージで測ってみるとピッタリ#26スロートでした。
息が詰まったようにならずかつ安定する、絶妙なスロートの形状と長さです。
バックボアはタイトで、シャンク先端は厚めに仕上げられてます。
全体に非常にバランスの考えられたデザインがなされていて、仕上げも丁寧です。
外形は無駄な重みを廃してややライトウェイトな形状ですが、中央のクビレ部分に2連のリング状の部分があるのが個性的です。
この2連のリング部分は単なるデザインではなく、音色や吹奏感に非常に良い影響を与えるとJ.マーシンキウィッツ氏は力説しています。
V.バックのマウスピースなど、もっと薄めのリング（？）が1箇所だけあるマウスピースは多いですが、このような少し厚めのリングが2つ連なってあるのは確かに珍しいと思います。
マウスピースの全長は86mmくらいで、V.バックなどの標準的なトランペットマウスピースよりも1〜2mm長くなっています。ヤマハのエリック・ミヤシロ・モデルと比べてみると、全長は同じでした。
GRや、ヤマハから2022年にMK2としてモデルチェンジされたエリック・ミヤシロ・モデルはリム付近を中心に結構ウェイトがあるので、こちらのライトウェイトなマウスピースを好まれる方も多いと思います。
サウンドは輝かしく、突き抜けるような高音域が魅力的です。曲によって、またここぞという場面で普段のマウスピースから持ち替えて他を圧倒するサウンドを披露するのも楽しいと思います。
高音域でも音色がか細くなることなく、唇のコントロールもしやすく、そして楽器を効率よく響かすことができる素晴らしいマウスピース です。
ビッグバンドのリード奏者は持っていて損のないマウスピースですし、他社のエリック・ミヤシロ・モデルを使っている方にもぜひ試していただきたいです。
全体に素晴らしいコンディションです。ところどころ極わずかな小キズが極わずかに見受けられますが、よく見ないとわからないほどでほとんど気にならないと思います。全体の銀メッキの状態も極上で、美しく光り輝いています。
マウスピースの表面とカップ内からバックボア、シャンク先端まで、綺麗に洗浄して適度に磨いてありますので、汚れなどの心配のまったくない清潔な状態にしてあります。
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基本的にはポストに投函されるようですが、ポストに入らない場合は配達員の方からの手渡しになるので安心です。
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