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盤共に非常に状態の良い中古でございます。
日本独自K2HD+HQCD方式によるリマスターで、アナログ感のある非常に良心的な音質となっております。
但し、リミックスという音調整は成されていない模様。
同公演の録音とは言えど追加された楽曲との音質の差がございます。
内容は言わずもがな。
ラインナップは個性派名手揃い、故Keith Emerson(Key、ex-The Nice)、故Greg Lake(B、G、Vo、ex- King Crimson
)、Carl Palmer(Ds、Per、ex-Atomic Rooster)となります。
70名に及ぶ編成のオーケストラが帯同、楽曲により参加となります。
尚、指揮者はGodfrey Salmon。
(Jackson Height、Esperanto等々のみならず、後の故Keith Emersonが手掛ける映画サントラにも関わる)
1977年8月26日カナダ・ケベック州モントリオール”Olympic Studium”での実況録音となります。
最高傑作の呼び声高い大傑作5th「頭脳改革」では”展覧会の絵”の高評価・驚愕の大ヒットに大きな自信を得た)故Keith Emersonが音楽性の全面に立ち、高評価の上に大ヒットとなったELP。
但し、以前からの度重なる制作/ツアーの繰り返しに疲弊したバンドは大傑作ライヴ盤を制作後に活動停止、(解散をも考慮に入れた)休息を取る事になります。
休養後のKeith Emersonはソロ制作を前提に作曲を開始。
The Nice時代からアイデアを温め続けたかのムソルグスキー”展覧会の絵”の再構築抜粋版を
デビューライヴからセットに加え、後に
完全版としての完成を指向。
擦った揉んだの末にライヴ録音一発取り(音調整のみ。修正なしの筈)で制作。
粘り強い交渉の末リリースに漕ぎ着けるものの、(廉価版レーベルリリースというオチではあったものの)リリースすれば大ヒットという実績が上がり、
更には各作品でのバンドの大成功も伴っており
名声と大きな自信を得た故Keith Emersonは「次はクラッシック作再構築/アレンジものではない、自身による作品を!」と音楽的野心を打ち出した感があり、
”
ピアノとオーケストラの為のコンチェルト”を書き上げる事となります。
故Greg Lake/Carl Palmerそれぞれもソロ作
制作
前提に動き出していているものの、各自単体の契約・リリースは各自や”ELP”の名声があっても難航するとの故Greg Lakeのプロデューサー的な判断を下した感がございます。
そもそも全員がオーケストラ付帯含むソロ作を指向していた事もある模様で
故Keith Emersonにコンタクトを取り、
各自ソロ作と(ファンが待望している)ELPの新曲を加えた”Emerson,Lake Palmer”としての新作制作を提案し、説得。
本格的に各自ソロ作/ELPという異例の制作に乗り出す事となります。
そして完成した作品は”Works”。
”オーケストラ共演”:Keith Emerson”ピアノとオーケストラの為のコンチェルト”/Greg Lake”弾き語り”/”Carl Palmer Friends”/”Emerson,Lake & Palmer新曲”という異例の四面音楽性二枚組大作。
Keith Emerson”ピアノとオーケストラの為のコンチェルト”ではかの”ホルスト”を意識した作風の感があり、スケール感や静/動のメリハリが非常に興味深いもの。
現代音楽家としての色を強く打ち出したもので、かの故富田勲氏との交流も頷けるもの。
Greg Lakeは元来ギタリスト。またかのKing Crimsonでは独特のヴォーカルアレンジが非常に高い評価を受けた事もあり、自身のソロ面では(オーケストラ付帯とは言えど)それを強く打ち出したもの。
Carl Palmerは元来ジャズ・ドラマーを指向したミュージシャンであり、
”Carl Palmer Friends”面では自身の演奏個性重視。
オーケストラ付帯とは言えど
他の二名とはかなり異なるもので、
”ジャズ・オーケストラ”を指向した感がございます。
そのオーケストラ付帯楽曲ではかの巨匠”Buddy Rich”を意識した音楽性の感があり、似た時期に制作・リリースされた”The Roar Of 74”(かの名手Tony Levin参加)を彷彿とさせるもの。
ロック視点の”ジャズ・オーケストラ”の感がございます。
Emerson,Lake Palmer新曲でございますが、
後にKeith Emerson曰くの”音楽性の洗練は重要”という発言もあり、
以前では大仰で強烈・インパクト重視だった新兵器”Moog Synthsizer”の使い方も機材の進化と共に随分と変化してきており、
音楽性を含め興味深いもの。
オーケストラ共演が作品コンセプトという事もあり”Pirates”はオーケストラ付帯となっておりますが、Keith Emersonがオーケストラ・アレンジに関わっており非常に興味深いアレンジとなっております。
異色の大作とは言えど(以前程ではないにせよ)成功を収めた作品となりましたが、時代が非常に変貌した時期の作品でございます。
リリース当時は1977年。
様々な分野のミュージシャンが八十年代という次世代に向けての音楽の模索が始まっており、またイギリスでは”パンク/ニューウェイヴ”の台頭という事もあり、音楽性のコンパクト化が叫ばれる時代でもございます。
作品としては驚く程高品質なものでその時流に逆らった感のある作品がございますが、その時代背景もあり、「地味な企画」ともかのRobert Fripp(King Crimson)曰くの「恐竜文化」とも揶揄される作品でもございます。
リリース後は好評ではあるものの以前程の熱狂さは窺えられず。
故Keith Emerson主張の「オーケストラ帯同ツアー」企画が持ち上がり、他二名は「費用が掛かり過ぎる!時代に合わない!」と反対するものの、説得され渋々同意。
そしてバンド内の微妙な感覚を抱えつつ、ツアーに臨む事となります..........................
さて今作。
Emerson, Lake Palmer解散後にリリースされた”In Concert”の拡大版で二枚組。七曲が追加されたものでございます。
故Keith Emersonはオリジナル作制作当時、解散後とは言えどプロデュース/ミキシングを担当。
そもそも二枚組リリースを想定していたものの、バンドが解散し(時代性もあり)興味を失っていたレコード会社の反対に遭い、泣く泣く一枚組に編集というもの。
作品の権利がバンド側所有となり、拡大版として再編集・再リリース、正に留飲を下げたという感がございます。
(正直、作品全体をリミックスし音質を整えて欲しかった感がございますが.......................)
リリース当時は酷評された作品ではございますが、正直案外良い作品でございます。
ツアー/録音当時故Greg Lake/Carl Palmerは微妙ではあった模様で、演奏感に安定度はあれど仕事感が漂うもので勢いが感じられぬきらいがございますが、何せハイテク系名手。
悪ろう筈がございません。
故Keith Emersonは相当な意気込みであった模様。
新曲のみならず、本格的なオーケストラ共演で過去作のオーケストラ共演にはそのアレンジ具合からも並々ならぬものがございます。
そもそも大傑作”頭脳改革”でEmerson,Lake Palmerとしてやるべき事はやったとの思いがKeith Emersonにはあった模様で、その後の休養も解散を前提のものではなかったか?との感がございます。
”Works”は各自のソロ契約・リリースの問題から”Emerson,Lake Palmer”名義を持ち出した制作。
この(商業的失敗と言われる)オーケストラ付帯ツアーという意欲性はあれどそれはKeith Emersonのソロの延長線上にあるものでしかなかった感がございます。
その後のEmerson,Lake Palmerの(高品質とは言えど)契約消化感のある作品群やその後の故Keith Emersonの映画音楽制作への転身を鑑みると見えてくるものがございます...................................................
そもそも故Keith Emerson自身は「ロック音楽分野で興味深い活動する現代音楽家」でございます。
そう捉える事が今作の理解の前提の感がございます。
チケット・セールスが不振、費用が膨れ上がり、企画はツアー途中で頓挫。
赤字穴埋めの為、通常のトリオ編成にてツアー再開。また”Works”等の外れ楽曲を編集した”Works Volume 2”をツアー向けに
リリースする事となりますが、バンド内は重苦しい空気が漂う事となります.....................
故Keith Emersonは「現代音楽家」としての興味を”Works”そしてこの”オーケストラ帯同ツアー”にて満たし、またロック・ミュージシャンとして商業面から来る限界を感じた感がございます。
レコード会社やプロモーター等々
商業的成功を求めバンドに介入する姿に辟易し、バンド解散に歩み出していく事となります........
現在ではこの仕様盤は入手が困難の模様。この機会に是非。
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後期オーケストラ帯同ツアーの貴重な録音 傑作ライヴ「Works Live」日本独自リマスター紙ジャケ仕様二枚組限定盤 国内盤中古。